所属団体だけでなく、個々のチームで判断する!
夢のある子供たちが進む道なので、シニア・ボーイズなど大きい団体には皆さんも耳にしたことがあると思います。ほかにもポニー・ヤング・フレッシュなどいくつかの中学生硬式野球団体があります。
実際に多くの選手がそれらの団体から育ち、高校・プロなどで活躍しているも選手がたくさんいます。
では、どのリーグがいいのか? 実際にリーグで大きく違うことはそれほど重要ではありません。
入団するチームを選ぶ判断基準はそこではないのです。
各団体(リーグ)の特徴
●シニア(日本リトルシニア中学硬式野球協会)
2000年にリトルリーグ・シニアリーグが統合し結成。
全国各地に7つの連盟があり、550チーム以上のチームが所属しています。
春(大阪:大阪シティ信用金庫スタジアム)夏(東京:神宮球場)に全国大会が行われています。
大まかに言うと、関東が中心というイメージがあります。
●ボーイズ(日本少年野球連盟)
1970年連盟結成 全国各地を43支部に分け、600チーム(中学の部)以上のチームが所属している団体です。
春(東京:大田スタジアム)夏(大阪:シティ信用金庫スタジアム)にて全国大会が行われています。
関西が中心というイメージですが、その他のエリアにも強豪チームが多いです。
●ポニー(日本ポニーベースボール協会)
1975年発足 全国に6つの連盟があり、280チームのチームが所属している団体です。
春(沖縄:コザしんきんスタジアム)夏(東京:江戸川区球場)にて全国大会が行われています。
本拠地はアメリカですが、国内では関東・九州・沖縄にチームが多い傾向です。
●ヤング(全日本少年硬式野球連盟)
1993年創立 全国18支部に別れ180チーム(中学の部)が所属している団体です。
春(岡山:倉敷マスカットスタジアム)夏(兵庫:淡路佐野運動公園野球場)にて全国大会が行われています。
特に関西地域にチームが多く盛んです。
クラブチーム
上記の4団体のほかに、九州地区で活動するフレッシュリーグもあります。各団体とも、中学生の硬式野球チームとして活動しルールはほぼ同じです。
全団体でオープンに戦う大会に『ジャイアンツカップ』があります。現在は、各地区で全団体混合の予選を行い、代表チームでトーナメント方式で日本一を決定しています。
また、2023年度より『エイジェックカップ』が開催されました。こちらは、各団体の全国大会優勝チームが参加する大会で、第1回大会ではポニーリーグ代表の佐賀ヴィクトリーが初代王者になりました。
各団体に、多くのチームがあり、団体別というよりはチーム個々の特色があると思います。
選ぶのは団体名にこだわらず、そのチームを良く見て判断しましょう!
チームを選ぶ基準は
まずは、自分で中学の硬式野球に進み何をしたいのか?チームに何を求めるのかを整理しておく必要があります。
目的がぼんやりとした状態でスタートしても、3年間はアッという間に過ぎてしまします。大切なお金と時間をかけて始めるからには、しっかりと目標をもって入団しましょう。
専用グランドがあるか
野球チームにおいて、グランドは間違いなく必要です。
専用グランドが無いと、毎回遠征し交通費も掛かります。荷物の移動も大きな負担になります。活動拠点が決まっているチームには、逆に遠征に来てもらえるというメリットがあり、専用グランドのない強豪チームとのオープン戦なども組めることでしょう。
ただし、専用グランドの管理は大変です。グランドの整備(補修・除草)は自チームで行うことになります。保護者の協力も必要になることでしょう。その点で協力できるかどうかも考慮してチーム選びを行ってください。強制的に協力を依頼されることもあります。さりげなく確認しておくとよいかもしれませんね。
専用グランドがないチームも、いろいろ手を尽くしグランド確保に努めていることだと思いますが、苦労は絶えないはずです。しかし、グランド管理については、専用グランドを持っているチームより大幅に楽になります。
例えば、公営球場を借りるなどの場合は、管理は自治体になるので、移動が苦でなければ返って手間が少なくなる場合もあるでしょう。
遠征するのは、どれくらいの頻度でどこまで行くのか、グランド管理に必要な協力依頼はあるのか、事前に調べておきましょう。
練習量は自分にあっているか
チーム練習は、休日だけとか夜間練習の回数はとか、それぞれに違いがあります。
入団前に確認してご自身の考えと適しているか良く考えてください。あまりにも練習が多くて練習に行くことが苦痛なようでは、結局、良い練習はできません。
選手に限らず、保護者の送迎が困難になってくる場合もあります。夜間練習に送迎できるのかも含め時間や場所の確認をしておくことが大事です。たくさん練習日があるけど毎回遅刻してしまうなど、できれば避けたいですよね。
逆にチーム事情で休日のみの練習としているチームもあります。練習量が足りないと後からチームに要望するのは筋違いです。それが、そのチームのスタイルなのですから。
指導方針
選手の成長に欠かせないのが指導者です。
例えば、とてもいい指導者なのに、ほとんど見かけないとか。選手が多すぎて、指導者とあまり話せないとかは、その指導者にあこがれチームを選んでも意味がないですね。
では、どういったところに目を向けるべきかというと、
①指導スタッフの人数が、選手の数に見合っているか。『指導者が充実している』
②指導スタッフ同士の連携がしっかりとれているか。『指導内容が統一されている』
③指導内容は求めているものに近いものか。『自身の理想にあう指導である』
最低でもこの3点は、事前に見ておくとよいかもしれません。入部してからじゃないとわからないところもありますが、先輩がたのお話をできるだけ聞いて検討するのが一番だと思います。
試合に出られるか
『3年間、一生懸命に練習しました』『たくさん練習試合に出ました。』これで満足してしまって良いのでしょうか?
子供たちの成長には、公式戦の緊張感が一番だと思います。ベンチで応援することも時には良い経験ですが、やはりプレイヤーとして試合に参加することが一番の経験となるはずです。
公式戦の緊張感や充実感は、練習試合ではあじわえません。多くの経験を積ませなくてはならない中学生にとって、公式戦経験がないのはもったいないです。
高校やその上のステージでは、バックアップ役に徹することもあるかもしれませんが、中学生のうちからバックアップや会費要因にならないよう注意してください。
団体の中には、一つのクラブチームから複数のチームを公式戦にエントリーできるシステムがあり、多くの選手に公式戦を経験できる体制をとっています。
チーム内の競争も重要ですが、子供たちに多くの経験を積ませることも非常に重要です。個々の能力とチームの選手層などを考慮してチーム選びをするよう導いてあげてください。
中学生の成長期間を有意義に過ごせるよう、応援しています。
進路相談は的確か
クラブチームを選ぶときに最も気になるのが、進路についてかと思います。
よく、『○○チームはA高校にパイプがある』とか言われますが、多かれ少なかれ高校と繋がりはあると思います。クラブチームを運営していれば、何人もの選手を高校に送り出しているわけですから大なり小なりの繋がりがあるのは当然といえば当然なのではないでしょうか。
ただ、それがパイプというのかはわかりませんが、例年進学している選手がいるということはあり得ます。
注意して欲しいのは、チームから何人かは、その学校に進学しているけど、自分(自分のご子息)がそこに進学できるかというと、その約束はできないはずです。
また、あまり表に出ない話ですが、A高校と繋がりはあるけどB高校とは険悪な関係である。なんてこともあり得ます。これには、いろんな理由がありますが、例えばA高校とB高校の監督同士が険悪な中であるのに、○○チームはA高校にばかり選手を推薦していたりすると、B高校は気分を害するなんてこともあるのです。現役選手には関係のない完全な大人の事情です。
他にも、指導者の系列(現役選手時代の先輩後輩)なども大きく影響する場合もあります。長年、野球指導に関われば人間関係に繋がりができるのも理解できるかと思います。
要は、チームを選んだ時点で、進学の選択肢から外さなければいけない高校がある可能性もあるということです。できるだけ先輩方の進路を確認し、希望進路に進んでいる先輩がいるか確認しますよう。
ただ、理想の進路を希望しチームを選んでも、その高校に進学できるとは限りません。最終的に高校が必要としない選手では、高校側からのスカウトも望めません。
最近は、高校側でも学業の成績を重視する傾向が見受けられます。野球も勉強もおろそかにすることなく努力することが、進路に向けて重要になります。学校生活を疎かにしないことは、選択肢を広げることにつながります。野球だけでなく授業もしっかり受けるようにしましょう。
指導者にお前はC高校に進学しろなどと決められてしまうチームもあるようです。それが、ありがたい場合とそうでない場合とあるかもしれません。現役3年生などに聞けるといいですね。
チームに希望進路を伝え、進学に向け相談にのってもらえるチームに進むことをお勧めします。
まとめ
ここまで、何かと言ってきましたがチーム選びでは、まず、通える範囲にどんなチームがあるのか良く確認することです。なんとなく周りに気を使い、保護者間でもどうするのか相談し難くなっている方もいるかと思います。
できる限り、何度も見学や体験をさせてもらい子供と話し合って選ぶことが重要です。
クラブチームでは、費用もかかります。部費のほかに、チームの指定衣類や道具類も含めると相当な出費になるはずです。費用に見合った活動ができているのかも考える必要があります。
また、他チームの悪口を言って自チームに勧誘するようなチームは、避けるべきでしょう。自チームの説明をしっかりして、たくさんのチームを体験するよう勧めてくれるチームが本当に子供たちのことを考えてくれているチームです。人数集めに必死になるのはわかりますが、子供たちのことを一番で考えないチームでは、健全な育成は望めません。
まずは、3年間続けられることを目標に良いチームと巡り会えることを応援しています。
コメント