低反発バットの導入は?中学硬式も?

教育部門の話

高校野球新規格(低反発バット)とは

日本高校野球連盟(高野連)は、現行のバットよりも細く、金属を厚くすることでバットの低反発化を図り 反発係数を低くして打球速度を抑えることで、投手の怪我や、乱打戦による肩肘の消耗を防ぐなど、圧倒的な打者有利を改善するために、使用するバットについて規格を設け2024年度より本格的に施行されます。

投手に対しては、選手の故障のリスクを考慮して球数制限を設けるなどの措置をとっていますが、打者に根本的な対応としてバットに制限を設けることにより、さらに投手を守るという考えではないでしょうか。

バット特性としては、芯でとらえた打球は飛距離に差がないようですが芯を少し外した場合には大幅に打球が失速する(飛ばない)という感じでした。

中学生は導入するのか

現在、まだ中学生の低反発バットの導入については、現在はどのリーグも見送っている状態でいつからという規定はないようです。

しかし、近い将来 中学生にもこの規制は導入されることになるでしょう。

2023ジャイアンツで試験的に導入

ただ、2023年に行われたジャイアンツカップ(全日本中学野球選手権大会)では、試験的に低反発バットを使用し大会が開催されました。

大会出場チームには、大会前の数日間前にミズノから低反発バットが支給され、大会に向けた練習から低反発バットを使用して大会に挑んだようです。

高校野球では春の甲子園で使用

高校野球では、この春開催される全国高校野球選抜大会から低反発バットが使用されました。

高野連の2024 新基準バットは、従来と比べ最大直径を67ミリ未満から64ミリ未満と細くし、厚みを約3ミリから約4ミリ以上とすることで、トランポリン効果と呼ばれる反発性能を抑制。 重量は900グラム以上を保つとされています。

最終的にホームラン数は激減しランニングホームランを含む3本のみでした。

この結果をみてもわかる通り打球の飛距離は大幅に短くなっています。

中学生の低反発バット使用感

中学生の試験的使用でも、昨年のジャイアンツカップでは、平均得点が大幅に減少し本塁打も一昨年は8本だったものが1本という結果になりました。

この数字を見てもわかるとおり、明らかに打球が飛ばなくなっていると言えるでしょう。

実際に練習から大会まで使用したチーム指導者に聞いても『飛ばない』という意見が多く集まりました。

中には、外野手の前にポテンと落ちるヒットが増えたという意見もありました。

これは、打球が飛ばないということの他に、外野手の感覚的なものが打球落下地点を誤認して前に落ちる打球に一瞬判断が遅れたことによる原因もあるのではないかと思います。

打球音もこれまでと違ってくるので、野手は打球の距離感を判断するのに多少の慣れや修正が必要になってくるでしょう。

特に注目したいのは、得点シーンが減少するということにより、試合展開のスピードアップではないでしょうか。打球が緩くなることで攻撃時間は大幅に減少し、1試合平均して20分程度の時間短縮が可能になるのではないかと想定できます。

その時間は、最終的に帰宅時間を早め疲労回復の時間に充てられるのと考えると、選手たちの健康管理には大いにメリットがあるといえるのではないでしょうか。

その分 今後の野球では、フォアボールやエラーといったミスが致命的になるかもしれません。

そして、走塁技術を磨くことによって数少ない得点シーンを作り出すことが可能となってくることでしょう。

野球が大きく変わるきっかけになるかもしれませんね。

低反発バットに変える?

高野連は昨年11月、各都道府県の高野連を通じて希望した全国の加盟校3814校に2本ずつ低反発バットを配布しました。

しかし、価格が従来の金属バットより1万円以上も高く、経済的な負担を懸念する声が続出し、12月に追加でもう1本ずつ配布することになったそうです。

ただ、金属バットも消耗品ですので当然足りなくなることは予想できます。

不足分はチームで補うことになるでしょうが、チームで数十本も買いそろえるのは難しいことを考慮すると選手個人での購入が必要になるかもせれません。

ただでさえ野球にはお金がかかるイメージですが、さらに出費の要因になることは否めません。

中学生のバットについては、よく考えて購入する必要がありますね。

いつから低反発化されるかわからない中で、個人用のバットに現基準のバットよりも飛ばず値段の高いバットを購入するということには抵抗があるのではないでしょうか。

高校に進み野球を継続するのであれば、低反発バットも視野に入れていいと思うが、現在の中学硬式野球の大会ではハンディを背負っているのと同じになってしまう。

各チームの指導者の考えもあると思うが、チームに従来のバットがあるのであれば、低反発バットを個人で購入し、自身の練習用として打感をつかんでおくという考え方もあるのではないでしょうか。

また、木製バットなどで代用する方法もあります。ただし、木製バットは折れてしまうという欠点がありますので、使用方法によっては返って高くつく場合もあります。

ご自身の目的に合わせ、必要かどうか考え 好きなものをチョイスしてください。

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