最近、うちの子がほかの子よりも成長していない!スランプで悩んでいる。それには理由があるはずです。これまで多くの選手を見てきた中から、その理由を技術面と精神面に分けて対処法をお伝えいたします。
技術面によるスランプ
技術的指導により、新たなステップへの進歩待ち状態
指導者が、選手の改善のため新たな課題としてフォームの改良などを行うと一時的に選手の成長が止まったり、前より悪くなったように感じることがあると思います。
すぐに成果の出るものもありますが、時間をかけて修正していかなければならない改良もあります。
どんどん改良する指導者もいますし、慎重に判断し改良を選択する指導者もいますが、どちらも選手の成長を願ってのことだと思います。
指導者を信じ、結果が出るまで信頼し任せる必要があります。 たとえあきらめて元に戻したとしても、その経験は、マイナスではありません。
むしろ半信半疑で取り掛かっていることがマイナスです。
子供の不安をあおるような声かけは、家庭では行わないようにしましょう。
指導内容を理解できていない場合
中には、指導してもらった内容を理解できず間違った練習を続けている選手もいます。
指導者の考えと違った行動をとってしまっている時は、指導者が気が付けば修正してもらえるはずですが、大勢の中に埋もれていては目が行き届かなくなることもあり得ます。
気になっている点は、指導者(コーチ陣)に聞ける選手になる事が大事です。
積極的に話せる選手になれるよう普段の家庭でも育成できます。家族の会話の中で選手を盛り上げられるようにすることが大切です。
体力(筋力)不足
スポーツ全般的に体の大きさ・筋力が大きなアドバンテージになる事は否定できません。
子供たちの体力はそれぞれ違います。 さらには、成長する時期も違ってきます。小学生の内に成長期を迎える選手もいれば、中学生の後半に一気に成長する選手もいます。
体力がつくと選手の野球観が大きく変わります。肩が良くなると守備力が跳ね上がりますし、パワーがつけば打球の質も全く変わります。
常日頃から、体力をつけるための努力も必要ですが、個々の成長期により別選手のように変わることがよくあります。
体力づくりについては下記ブログで紹介します。
ただし、過度なトレーニングは身体を壊す原因につながりますので、焦らず、日頃より体力づくりに取り組んでいくことが一番です。
ボールへの恐怖感
ボールへの恐怖感は、精神面にもあたりますが、プレーに大きな影響を与えてしまいます。
特に内野手の打球に対する恐怖は、深刻です。打球に対する恐怖から不自然な打球へのアプローチとなり捕球しにくくなり、益々打球に対する恐怖感を募らせてしますことがあります。
緩い打球で的確な打球へのアプローチを身に付け、正確な打球処理ができるようになると、恐怖が少しづつ拭えてくるはずです。
すぐに試合に出場したいなら、外野手にコンバートしてもらうことも考える必要があるかもしれません。
打者としての恐怖感については、たくさん打席に立ち恐怖になれるしか方法はありません。
出来るだけ、スピードボールを目で慣れることが必要です。
デッドボールを受けた後などに恐怖を覚えるのは、誰も一緒です。
正確なよけ方をマスターし、スピードボールに慣れることを意識してみてください。
精神面によるスランプ
イップス
イップスについては、本当に苦しい悩みです。
送球や投球で相手に迷惑をかけないようにと考えだすとハマりだす厄介な病気です。
イップスは精神的な問題が技術に影響していると考えます。
そのメカニズムなどについては、 別投稿にて詳しく話したいと思います。
すぐに改善は見込めないため、送球が影響しにくいポジションにコンバートしてもらうことが、臨時的な対応策です。
無理に改善しようとして余計に悪化する可能性があるので、周りからとやかく言うのはできるだけ避けるべきです。
気にすることが少なくなって、多少改善したという例が多いです。
全力投球なら安定するとか、この距離だけは問題ないなど症状によって可能なこともありますので、可能なことだけをやるようにし、周りからは出来るだけイップスに触れないことが良いでしょう。
イップス修正の専門家みたいな方もいらっしゃると思いますが、結局自分は治りませんでした。
モチベーションの低下
選手のモチベーションが下がっていると、練習の成果が発揮されません。
モチベーションの低下にもいくつか要因がありますが、私が見てきた選手には、思い込みによるものがありました。
これは、自分は能力が低いと自己嫌悪に陥り、気持ちが完全に後ろ向き傾向になっている選手です。
体力差で、技術の差に見えがちですが、選手の成長期は様々です。体力がついたときに飛躍的に向上する選手がいます。
体力のある選手と比較し、自分は劣っていると感じることもあるでしょう。しかし、体の成長・技術の向上は誰にもあり得ます。
そのことを本人にも伝えながら、モチベーションを保つことが飛躍の瞬間を逃さない為の心構えです。
ほかにも、指導者の言動によりモチベーションが下がったとか、仲間とのいざこざで気持ちが萎えているなんてこともあるかもしれません。
ご家庭で話を聞くだけでも落ち着くこともあります。追求するのではなく、話し合うスタンスで接することで子供たちからも話しやすい環境が作れます。押し付けることなく、聞いてあげてください。
また、やりたいポジションでやれないモヤモヤが気持ちを後ろ向きにすることもあります。
複数ポジションができることは、進学後は武器に変わることがあります。決してマイナスではないことを理解させ、後押ししてあげてください。
いずれポジションを取り返すぐらいの負けん気も上のステージでは必要です。ふてくされている時間がもったいないです。ポジティブに考えるよう応援しましょう。
まとめ
技術面・精神面と分けて実例と対処法を挙げてきましたが、主に技術は指導者から学び、メンタルは家族で整える体制が一番です。
中学生は体も心も成長の真っ直中です。『今』だけでなく一歩先を見据えた指導や教育を心がけ、子供たちに押し付けるのではなく、子供たちが自ら学びたいと思わせる環境を作ることでどんどん子供たちは成長します。
やらされているのか・やりたいのか、この差は大きく影響します。
そして、なんでも積極的に挑戦できる子に育てることが重要です。指導者にもどんどん向かっていくような選手を望む指導者は大勢います。指導を受けた内容がわからなければ確認するぐらいのことは例え怒られてもできるようにすべきです。
結局、できなくて怒られますから…
怒られても、前向きに挑戦していけるような選手になれるといいですね。
また、自信過剰なこともある意味大切です。過剰になりすぎているのも問題ですが、自分の限界を決めてしまっている子より、勘違いしている子の方が成長します。
いつまでも夢を追い続ける選手に育てていきたいものです。
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