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遊休農地を有効活用する方法をご紹介します!

行政部門の話

農地を所有しているが後継者がいない、あるいは、相続などにより農地の所有者となったがどうすればいいか迷っている。

そんな方に、農地の立地や適性を生かした有効な活用法をご紹介いたします。

農地とは

そもそも農地には、建物を建てたり売却することに制限がかけられていて、許可を必要とするものがあります。

これは、国民に対する食料の安定供給の確保するためにつくられた『農地法』によって農地が保護されているためです。

したがって、農地を他の目的に使用することや所有者の変更については許可を要するのです。

農地活用のための前提条件

まずは、農地の詳細を確認しましょう 利用計画農地の地目 一つひとつの土地には「宅地」「田」「畑」などの地目が決められており、それらの事項が登記されているため誰でも法務局で確認できます。

通常、農地は「田」や「畑」として登記されます。しかし、実際に農地であるかどうかは登記上の地目ではなく、実際の用途が農地、つまり農業用に使われている土地かどうかで判断されるのです。

固定資産税の納税通知書などに、公簿地目(登記簿上の地目)と現況地目(実際地目)が記載されているので確認してみましょう。

ただし、非課税者は(所在地の地区町村に農地だけの場合、非課税となっている場合もあります)納税通知が発行されないので、所在市区町村窓口にて評価証明書の発行を受け確認することができます。

利用計画農地に対する制限

農地の種類 農地は、その土地の場所・環境・現在の利用状況などから判断して5種類の農地区分に分けられます。

5つの区分は、農用地区域内農地・甲種農地・第1種農地・第2種農地・第3種農地に区分されます。

この5種類の農地区分によって農地転用許可方針は異なってきます。

都市計画区域の確認

次に、都市計画区域に該当するかの確認です。都道府県ごとに都市計画区域区分が決められています。区域区分には、都市計画区域・非線引都市計画区域・準都市計画区域・都市計画区域外があり、都市計画区域の中には、市街化区域と市街化調整区域があります。

さらに、市街化区域には13種類の用途が定められていて、その用途にあった開発が認められることとなっています。

ここで確認しておきたいのは、都市計画区域か都市計画区域内であれば市街化か調整区域かになります。

転用できる農地の条件

農地は、原則として農地以外の目的で利用できません。例えば、農地の上にアパートやマンションを建てて活用しようと思っても、開発や建築の許可を得ることはできません。そのため農地を活用する際は、まずは宅地に転用することを考えなければならないのです。

では、農地を農地以外の地目に変更するにはどうするのかというと、農業委員会などによる許可を得る必要があります。また、特に農地をまもる農業振興地域というエリアがあります。農地振興地域の場合は宅地転用に厳しい審査がありますので、あらかじめ確認しておく必要があります。

売却にも許可が必要

農地を農地のまま売却する場合も、農業委員会の許可が必要です。農地は農業のための土地であるため、購入できるのは農家か農業参入者のみと定められています。

そのため、農地を売却する場合は、農地のまま売却するのではなく宅地に転用したほうが売却しやすくなります。その場合も、農地転用について農業委員会の許可が必要です。

農地の活用法①農地以外のビジネスに転用する

まず、農地を他の目的のものに変えて活用する方法についてご紹介します。農地を他の目的に転用するということは、農地法の許可が必要になり、合わせて建物等も建設するとなると都市計画法の許可も必要となるため、初期投資と時間を要すことになりますが、成功すればかなり有効な活用手段となります。

太陽光発電

太陽光発電システムを設置して、売電収入を得る方法です。太陽光発電には立地の良し悪しがないため、農地の活用に向いています。また「周囲に高い建物が建つ心配がない」「農地の広さを活かせる」といったことも、農地を太陽光発電に活用する際のメリットといえるでしょう。

太陽光発電の設置には、都市計画法は関連しないため建物を建てるよりはハードルも低く実行しやすいでしょう。

駐車場・資材置き場

駐車場や資材置き場については、都市計画の許可は要しませんが、立地条件が大きく左右される事業です。 近隣に人が集まる施設や会社・工場があれば比較的利用価値が上がりますので、成功する可能性は高いですが農地に面している道路形態や周りも農地の場合、周辺への配慮も必要となりますので注意が必要です。

アパート・マンション・高齢者施設

土地の活用方法としてまず挙げられるのが、土地を利用したアパート・マンション経営です。

アパート・マンションを建てて入居者を募り、家賃収入を得ます。アパート・マンションは利便性の高い立地であるほうが好まれるため、農地が市街地に近い場合は特におすすめです。 入居者を集めることができれば、安定的に収益を上げられます。

高齢者施設を建てて自分で経営するか、事業者に貸し付けて賃料を得る方法です。

少子高齢化の進む日本においては、高齢者施設は今後も安定した需要が見込めます。居住用施設ではありますがアパート・マンションほど立地を問われないため、農地の活用に向くケースも多いです。

初期費用は高額になりますが、その分大きな収益を期待できます。

また、補助金を受けられることも大きなメリットといえます。

ただし、どちらのケースも市街化調整区域では、許認可のハードルが高くアパートについては、建設できない可能性があります。

これらを検討するときは、事前の調査はしっかりとしておきましょう。

レジャー施設(ドックランなど)

お勧めなのは、レジャー施設(ドックラン)です。レジャー施設には、都市計画法の許可に特別に認められる項目があります。

大きな事務所もいらず、最初から全力で投資するのではなく、収入が安定してから施設を改良していけば初期投資の不安も少なくて済みます。

私が持っている休耕農地もドックランにしようか考えています。

農地の活用法②農地のままでの活用する

次に、農地を農地のまま活用する方法について紹介します。

自分で耕作する

まずは、自分で農業を営む方法です。農業は非常に手間がかかる上に、収益を上げるのも簡単ではありませんが、地域貢献や教育などの効果も期待できます。

高収入を目指すのではなく、手のかかりにく作物をチョイスして、自分の空き時間に農作業をするのもいいかもしれません。

農地は一年放置しただけでも雑草が生い茂り手に負えなくなります。夏場は何度か手入れに行く必要があります。

農機具も、あるのとないのとではだいぶ違います。近隣の方に借りられればお借りする方が断然楽です。文明の利器です。

筆者は一攫千金を狙って、自分で耕作する計画を立てました。

市民農園にする

一般市民の趣味や農業体験のために農地を貸し出す方法です。市民農園を開設する方法には以下の3つがあります。

  • 市民農園整備促進法による方法
  • 特定農地貸付法による方法
  • ・農園利用方式による方法

多くの場合、特定農地貸付法によって農地を貸し出す方法が取られます。詳しい内容は、農林水産省の「市民農園の開設方法」を参照してください。

農地集積バンクに貸し出す

農地集積バンクは「農地中間管理事業」とも呼ばれ、農地を貸したい人や売りたい人を集めて、借りたい人や買いたい認定農業者などに提供します。

自分で農地を借りたい人や買いたい人を見つけられない人は、農地集積バンクを利用することで効率的に提供先を見つけられる可能性があります。

農家に貸し出す

近隣の農家で農地を探している人がいれば、その人に貸し出すのが一番の活用になるでしょう。ただし、親しいなど関係性がある場合は賃料交渉などがやりづらいかもしれません。

田んぼを貸す場合、出来上がったお米をいただく場合もあります。逆にお金を払って米を作ってもらうケースもあります。

農地の活用法③農地を売却して活用してもらう

農家への売却

農地を近隣の農家に売却する方法です。現在農業を営んでいる近隣の農家に農地を売却するのであれば、ほぼ間違いなく許可が下りるでしょう。農地を購入する農家としても、近くにある農地のほうが管理しやすいため、メリットが大きいでしょう。

前記のとおり売却についても、農地の転用の許可は必要となります。

売却価格も高値は期待できませんが、維持や管理費を考えると安値でも手放した方が得をするともありえます。

ただ、先祖より受け継いできた土地がと考える方も多いと思います。子孫のためと考えることも必要ですね。

家を建てたい人への売却

市街化調整区域であっても、自己用住宅が建てられる要件を満たす場合があります。主に既存集落と呼ばれる方ですが、当該農地の集落に住んでいた方や親族が居住している場合などに適用されます。

その他にも、区域指定と呼ばれる地域であれば、自己用住宅を建てることができます。建築可能な方にとっては、有意義な土地になりえますので不動産業者に依頼するのも一つの方法かもしれません。

まとめ

農地には、多くの制限があり農地以外に利用するのは何かと手続きが必要です。農地のまま利用するのであればこれらの制限は問題のですが、実際に自分で作付けするのには難しい方も多いと思います

我が家にも、先代から引き継いだ休耕農地があり悩みの種となっています。

まずは、ご自身の農地の性質をよく調べ、上記の活用法を検討してみてください。

あなたの農地が有効な土地に変わることを期待します。

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